再生利用に適している紙パックのリサイクル率向上を目指し、マテリアルリサイクルフローの確立などに取り組んでいます。
紙パック用原紙に使用されている良質なパルプ原料は、さまざまな姿にリサイクルされています。当社では、紙パックをトイレットロールやティシューペーパーなどの原料としてリサイクルしています。紙パックのリサイクルを拡大するためには、このようなリサイクル原料を使用した製品をこれまで以上に使っていくことが大切です。
紙パックの原材料には古紙が使えないため、バージンパルプから作られます。そのため、回収した紙パックの繊維は高品質で傷みが少なく、再生利用紙としての質が高いのです。
紙パック用原紙のパルプ原料は、漂白されたものだけを使用しています。そのため紙パックは白色度が高く、時間がたっても茶色や黄色に色戻りがありません。白さを活かした再生品の製造に適しています。
紙パックは蛍光染料を使っていません。リサイクル時も蛍光染料を分離する必要がなく、比較的リサイクルがしやすい製品です。
紙パックは、新聞紙やダンボールと同じように使用後に分別回収することにより、素材の再利用が可能です。
紙パックの構造は約8割が木質資源素材(セルロース繊維)であり、残りの約2割は液体が漏れないようにするためのポリエチレンやアルミなどのバリア素材です。パルパーという機械で一定量の水を加えて撹拌し微細化することで、ポリエチレンを剥がし、セルロース繊維、インキを含むポリエチレンなどの混合物等に分離します。
セルロース繊維は古紙を含まないバージンパルプであるため、利用価値が高く、良質な製紙原料として再び紙製品に生まれ変わります。
また、分離されたポリエチレン等はボイラーの燃料(RPF)となり熱エネルギーとして回収されたり、再生樹脂として利用されたりします。
PakUpcycle®(パックアップサイクル)は、「Pak」(飲料用紙パック)+「Upcycle」(不用品や廃棄物を、商品としての価値を高めるような加工を行い再利用すること)という2つの意味を合わせた造語です。当社は使用済み飲料用紙パックに新しい価値を与えるPakUpcycle®というキャッチフレーズの下、さまざまな取り組みを行っています。
PakUpcycle®では、飲料用アルミ付紙パックのリサイクル拡大を目的とした活動に取り組んでいます。これまで飲料用アルミ付紙パックは、パルパーによる紙繊維とポリエチレン・アルミニウムの混合物(ポリアル)の分離工程を経た後、紙繊維は製紙原料としてリサイクルされ、ポリアルは化石燃料の代替としてボイラーの燃料(RPF)に使用されたり、一部は廃棄物処理されたりしていました。
PakUpcycle®では、株式会社リプロ及び萩原工業株式会社と共同で、ポリアルのマテリアルリサイクルを目指す取り組みを始めました。今後もより多くの方にPakUpcycle®に賛同して頂くこと、またポリアルの用途開発を進めることを通じてポリアルのリサイクル率を高め、飲料用アルミ付紙パック全体のリサイクル率向上を目指します。
*PakUpcycle®に関するニュースリリースはこちら
回収された飲料用アルミ付紙パックをパルパーで紙繊維とポリアルに分離したあと、ポリアルをさらに原料化する処理をほどこします。その原料をもとに、ポリアルを利用した製品を製造していきます。
PakUpcycle®製品として、ポリアルは、擬木や板材、角材などの土木建築資材や、境界杭などとして生まれ変わります。例えば、公園等の緑化用樹木を支える丸杭としても使用可能です。